聖地巡礼の始め方 — 初めてでも迷わない、準備から当日まで
好きな作品の景色が、現実に立っている。聖地巡礼は、それを自分の足で確かめに行くことです。
難しい趣味ではありません。ただ、準備を2つだけ間違えると、行ったのに「見つけられなかった」で終わります。この記事は、その2つを含めて、初めての一日を通しで書いたものです。
そもそも「聖地」とは
作品に登場した場所のうち、実在するモデルがある場所を指します。背景美術は写真をもとに描かれることが多く、建物の形や看板の位置まで一致することも珍しくありません。
聖地には大きく2種類あります。
| 種類 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 公認 | 自治体や権利元が公表している | 看板やマップがある。歓迎されている |
| 非公認 | ファンが特定した | 私有地や住宅が含まれることがある。扱いに注意が要る |
初めてなら公認から行くのが確実です。現地に案内があり、迷いません。
行く前に決める3つ
1. 場所を1つに絞る
やりがちな失敗は「その作品の聖地を全部回ろう」とすることです。1本のアニメの舞台が市内全域に散っていることは普通にあり、移動だけで一日が終わります。
初回は1か所か2か所にしてください。着いてから「思ったより見るところがある」と気づくほうが、はるかに満足度が高くなります。
2. 時間帯を合わせる
ここが1つめの落とし穴です。作品の場面は、たいてい特定の時間帯に描かれています。
夕方の坂道、朝の駅のホーム、夜の交差点。同じ場所でも、光が違うと別の場所に見えます。見比べたいなら、場面の時間帯に合わせて行ってください。
あわせて確認するもの:
- 開いている時間(寺社・施設・展望台。冬は早く閉まります)
- 定休日(店が舞台の場合)
- 日の入り時刻(秋冬の屋外は15時台から光が変わります)
3. 元の場面を手元に用意する
2つめの落とし穴です。現地で「どこから描いたのか」が分からなくなります。
背景は、しばしば実際には立てない位置から描かれています。道の真ん中、二階の高さ、少し離れた橋の上。元の絵を手元に出して、建物の重なり方を見比べないと、正解の立ち位置にたどり着けません。
スクリーンショットを撮っておくか、該当話数をすぐ開けるようにしておいてください。現地で電波が弱いこともあるので、あらかじめ端末に保存しておくのが確実です。
持ち物
- モバイルバッテリー地図と写真で電池は一日もちません。これだけは忘れないでください
- 交通系ICカード地方はバスが現金のみのこともあるので、小銭もあわせて
- 歩ける靴坂と階段が多く、想像の1.5倍歩きます
- 折りたたみ傘山あいの聖地は天気が変わりやすい
- 現金御朱印や小さな売店は、カードが使えないことがあります
当日の回り方
- まず全体を見るいきなりカメラを構えない。一周してから決めます。作中の構図は、少し離れた位置や逆方向から描かれていることがよくあります
- 立ち位置を合わせる建物と建物の重なりが合う位置を探します。高さも合わせてください。しゃがむと合うことがかなりあります(キャラクターの目線で描かれているため)
- その場で見比べる帰ってから「少しずれていた」と気づくのがいちばん悔しい。1枚撮ったら、その場で元の絵と並べます
- 記録を残す行った場所の記憶は、思っているより早く混ざります。その日のうちに、場所・日付・撮った角度を残しておきます
最低限のマナー
聖地は、誰かの生活圏です。ここだけは外さないでください。
- 私有地に入らない。門・塀の内側は、写っていても入ってはいけません
- 住宅と表札、車のナンバーを撮らない
- 道と入口をふさがない。撮影は端に寄って、短時間で
- 参拝者と利用者が先。寺社では、参拝の邪魔にならない場所から
- 学校は敷地外から。在校生が写らないように
- ゴミは持ち帰る
詳しくは別記事にまとめています。特に住宅街が舞台の作品に行く予定があるなら、先に読んでおいてください。
やりがちな失敗
1. 欲張って回れなかった
初回は1〜2か所。これに尽きます。
2. 元の場面を持たずに行った
現地で「たぶんここ」としか分からず、帰ってから違ったと気づきます。
3. 電池が切れた
地図・写真・作品の確認で、電池は驚くほど減ります。バッテリーは必ず。
4. 閉まっていた
展望台・寺社・店舗は、季節で時間が変わります。行く前日に公式サイトで確認してください。
次にやること
行き先が決まっていないなら、まずは近場の1か所から始めるのがおすすめです。日帰りで行ける距離に、思っているより聖地はあります。
京都に行く予定があるなら、一日で回れる順路を別記事にまとめてあります。